日本のジェンダーギャップ指数について


 7月10日投開票の第26回参議院選挙は、連合推薦候補者、比例代表9名中8名、選挙区は46名中14名の当選を果たすことが出来ました。栃木選挙区では、「いたくら京」氏を推薦し取り組みましたが、残念な結果となりました。推薦候補者全員の当選に向け、昼夜を問わず精力的に取り組んでいただいたすべての構成組織・地域協議会のご家族を含めた皆様に心からの御礼を申し上げます。結果については、しっかり受け止め総括をしなければなりません。時間をいただき改めて述べさせていただきます。そして、来春に行われる統一地方選挙に繋げてまいりたいと考えています。“すべての働く仲間の安心社会の実現”目指して政策要求実現運動を進めて参りますので、引き続きのご支援よろしくお願いします。

 さて、ジェンダー問題については、今回の参議院議員選挙でも取沙汰されましたが、世界経済フォーラム(WEF)は13日、世界の男女格差の状況をまとめた2022年版の「ジェンダーギャップ報告書」を発表しました。男女が平等な状態を100%とした場合、世界全体での達成率は68.1%、146カ国を対象に、教育・健康・政治・経済の4分野を分析。教育環境や閣僚の数、賃金の男女差などを比べ、「平等」への達成率を指数化したもので、世界で最も男女平等に近い国はアイスランドで、達成率は90.8%と唯一90%を超え、13回連続の首位、2位のフィンランド(86.0%)、3位のノルウェー(84.5%)、5位のスウェーデン(82.2%)と上位は北欧諸国となっています。一方、日本は達成率65.0%で116位と、前回に続いて主要先進国で最下位、前回の120位から順位は上がりましたが、今回は調査対象国が10カ国減っていますので、ほぼ横ばいです。長年の課題である政治と経済分野が低迷の原因になっています。政治分野では、今次参議院選挙では、女性の候補者数は181名(33.2%)、当選者数は35名(28.0%)とそれぞれ過去最多となりましたが、依然として日本は諸外国から遅れをとっています。クオータ制の導入をはじめ、今後も各党が女性候補者の発掘、育成、支援により一層取り組むことが重要です。経済分野では、昨今の動きとして、日本ではすべての年齢層において女性の就業率が上昇し、就業者に占める女性の割合は欧米諸国並みの水準となっています。しかし、女性の雇用者の半数以上が非正規雇用者であり、また、管理職に占める女性の割合は、欧米諸国のみならず、シンガポールやフィリピンといったアジア諸国と比べてもかなり低く、男女間の賃金格差も依然として大きくなっています。
労働政策審議会雇用環境・均等分科会は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令の一部を改正する省令案要綱」および「事業主行動計画策定指針の一部を改正する告示案要綱」について、「妥当」と取りまとめられました。これは、常用労働者数が301人以上の企業に対し、一般事業主行動計画が定める「男女の賃金の差異」の把握、公表を義務づけるものです(2022年7月から)。連合はかねてより「男女の賃金の差異」を必ず把握しなければならない基礎項目とすることを主張しており、本改正は男女間賃金格差の是正に向けた大きな前進と受け止め、極めて意義が深いと考えています。

 今回、女性活躍推進法が変わることで、男女間の賃金格差の差異を公表することになりました。しかし、法律が出来ただけでは、職場は何も変わりません。労働組合の武器は、法律を上回る労働協約を締結できることです。労働組合として、女性活躍推進法を活用し、男女間賃金格差是正、ジェンダーギャップ指数改善に向けてしっかり取り組んで参りましょう。