電力需給逼迫警報について


ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まり、1か月が経過しました。昨日、NATO首脳会議とG7緊急首脳会議をブリュッセルで開催し、NATO首脳会議では、ロシアのウクライナの侵略を強く非難する共同声明を採択しました。ロシアの攻撃が激化し、化学兵器の使用も強まる中、ウクライナの全面的な連帯を示し、追加的な軍事支援をすることで一致しました。また、G7緊急首脳会議では、ロシアによるウクライナへの軍事侵略を非難する共同声明を採択しました。罪のない一般人まで巻き添えにする戦争に対し、断固反対とするものの、止められないもどかしさを感じている方がとても多いと思います。一日も早い終息を望んで止みません。一人ひとりが置かれた立場で声を上げる、意思表示をすることなども重要ではないでしょうか。連合では、アピールボードアクションと題し、構成組織、地域協議会から「即時の作戦中止・撤退と核兵器反対・恒久平和」の想いを込めたアピール運動を展開しています。【 連合|ロシアのウクライナ軍事侵攻に対するアピールボードアクション (jtuc-rengo.or.jp)

 さて、3月22日に「電力需給逼迫警報」が初めて東京電力管内に発令されました。経産省と東京電力ホールディングスは、管内の1都8県の電力利用者に節電を呼びかけました。22日は、低気温による電力需要の増加が予想される中、3月16日に発生した福島県沖を震源とした地震の影響で、一部の発電所の継続的な停止に加えて、更なる電源の計画外停止や悪天候による太陽光出力の低下などにより、東日本エリアに於いて電力需給が非常に厳しい状況となりました。連合栃木には、大変お忙しい中、東京電力パワーグリッド(株)様がお越しいただき、ご説明をいただきました。これを受けて各構成組織、地域協議会に対し、節電のお願いを展開させていただき、また、当日の連合栃木執行委員会の中でも、電力総連深津副会長から、説明と節電の協力を呼び掛けていただきました。今回の事象に対しては、経産省の初動対応遅れに問題があるなどされていますが、電力需給の脆弱性が浮き彫りになりました。

経団連の十倉会長は、22日の記者会見で、既設の原発を稼働しないと大変なことになると強調し、ウクライナ危機でエネルギーの世界的な争奪戦になっていることも考慮すべきだと主張しました。原子力エネルギーについての連合の考えとして、国民の信頼確保に努め、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用し、原子力エネルギーに対する依存度は、代替エネルギー源の確保を前提として中長期的に低減させていく必要がある。既存の原子力発電所の再稼働については、安全性の強化・確認を国の責任において行うこと、周辺自治体を含む地元住民の合意と国民の理解を得ることを前提に、代替エネルギーが確保されるまでの間、活用すべきである。安全・安心で安定的な資源確保・エネルギー供給と、低炭素社会への確実な移行の実現に向けた取り組みを進めるとともに、「働くことを軸とする安心社会」に資するエネルギー政策の実行を求め、引き続き全力で取り組んでいくとしています。

 今回のような悪条件が重なった場合は、どの地域でも同様の電力需給逼迫が起こり得ることが予想されます。私たちが出来ることは節電であり、日頃からその意識を高めていく必要があります。何気なく当たり前のように使っている電気ですが、こうして電力需給逼迫警報を目の当たりにすると、電気の大切さとありがたさを、身をもって実感しました。また、電気の安定供給の裏には、電力事業で働く多くの仲間の弛まぬ努力があることも忘れてはなりません。今回の電力需給逼迫はなんとか乗り切ることが出来ましたが、有事のエネルギー問題については解決されていませんので、将来的なエネルギー問題に対し議論するべきだと思います。