新型コロナウイルスの感染者が県内で初めて確認されてから、今月22日で2年が経ちました。もっと長く感じるのは私だけでしょうか。累計感染者は41,443人、亡くなられた方は167人、感染力の強い変異株が相次いで出現し、この1年間で感染が急拡大しました。1年目の感染者は4,036人、死者は65人だったのに対し、2年目は36,598人と9倍に膨らみ、死者も100人と1.5倍増えています。この2年で、本県には緊急事態宣言が3度発令され、まん延防止等重点措置は2度目で、3月6日まで延長となっています。
このような状況の中で、2022春季生活闘争の取り組みが進められ、大手組合では要求書を提出し、団体交渉がスタートしています。私たちは、コロナ禍にあっても誰もが安心・安全に働くことができることなど、引き続き長時間労働是正、有期・短時間・契約等労働者の雇用安定や処遇改善、65歳までの定年引き上げや70歳までの雇用確保、テレワークの導入、障がい者雇用の取り組み、ハラスメント対策など、働き方の改善に取り組みます。今こそ「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、経済・社会の活力の原動力となる「人への投資」を求めていかなければなりません。
2022連合白書、安い日本の現状で日本の賃金水準は主要先進国の中で最低で、20年以上停滞しています。その結果2020年の平均賃金額も、米国、ドイツ、韓国など主要9カ国中8番目で、相対的な位置を落としてきました。訪日外国人の多くが日本は良いものが安く買える「夢の国」だと実感しているといわれています。しかし、日本で働き生活する者の収入は増えず、「生活が向上している」と感じる人の割合は20年以上にわたり一桁台で推移していて、「低下している」と感じる人の方が多い。賃金が上がらないことで国全体の消費も低迷し、その結果、商品やサービスの価格を上げられず、生産コストを下げて利益を上げようと賃金抑制圧力が高まる、という悪循環に陥っていると記しています。
今、安い日本を値上げが襲っています。一例ですが、乗用タイヤ7%、文具8%、食パン9%、牛丼14%、トイレットペーパー15%、電気料金に至っては、21%と家計に大きな打撃となっています。原材料高を理由に洗濯洗剤などの値上げを表明した「花王」に対し、首都圏地盤で低価格が売りのスーパー「オーケー」が反発し一部の製品の販売中止に関する報道が2月16日にありました。背景として、花王は原材料の価格の高騰を受け、3月以降に洗剤や紙おむつなどを実質的に値上げする方針を打ち出し、オーケーによると、花王側の仕入れ価格を値上げするという申し入れをきっかけに、取り扱う商品について見直しをしたと言い、顧客の要望に応じて、販売再開も検討するとしています。注目スーパー「オーケー」と日用品最大手「花王」ということもあり、大きく報道され、消費者はどう受け止めたでしょうか。
フィールド・クラウドソーシング事業を展開する株式会社mitorizが、全国の消費者1,884人に、2022年2月16日~17日にかけてアンケートを実施しました。結果、値上げは仕方がない43%、他のお店で花王の製品を買う57%、他のメーカーを「オーケー」で買う36%となりました。消費者の値上げに対する理解はあるものの、他のメーカーでも安ければ買うという消費者意識は高くなっていて、まだまだ社会的な認識には至っていないことが現状とわかりました。安い日本が長年に渡って続いてきたこともあって、理解を得るための社会全体の広報活動など、強めていかなければならないと感じました。「花王」に対してどうとか、「オーケー」に対してどうとかいうつもりはありません。それぞれがそれぞれに、企業努力を重ねてきたことに誇りを持っての対応と認識しているからです。今後、消費者として、値札の裏には多くの働く仲間が居ることを想って行動していきたいと思います。