コロナ禍の春闘について


 先週、アメリカのアリゾナ州TPCスコッツデールで行われたPGA(米国男子ゴルフツアー)フェニックスオープンは、松山英樹プロも出場しましたので、テレビで見た方も多かったと思います。このコースの名物ホールは、16番ホール(パー3)です。このホールは、周囲をぐるりと3階の観覧席に囲まれて2万人が収容可能で超満員。1日の入場者は20万人、入場料は6人で1万ドルということも驚きましたが、誰一人としてマスクをしている人がいませんでした。勿論、入場前の検査など制約はあったと思いますが、アメリカは先日まで感染者数が100万人/1日と言われていたので、録画中継と疑ってしまいました。また、カリフォルニアで行われた第56回NFLスーパーボウルでも超満員の7万人が入場しました。米国での感染者数は減少傾向にあり、1日平均人数のピークだった1月15日の21%になっているということです。それにしても日本の状況とはあまりにも違うので驚きます。

 内閣府は、昨年10月から12月までのGDPを発表し、物価変動を除いた実質年率、2期ぶりプラス5.4%、年間伸び率1.7%となりました。これは、昨年末緊急事態宣言が解除され感染者数が落ち着き、個人消費が伸びたためということです。しかし、アメリカやヨーロッパと比べて極めて弱い伸びとなっています。日本は、感染症に対して諸外国と比べると感染爆発を防ぎ、成功した国という認識でしたが、経済で比較してみると顕著に遅れてしまっています。細かく分析すると、個人消費は回復傾向にあるものの、設備投資の伸びが鈍化しているようです。経済を何とかしようという動きはここ25年の中でも取り組んできました。小泉構造改革でも、規制緩和し製造現場に派遣を取り入れた結果、格差が拡大し人件費は抑えられ、物の供給力は上がりましたが、有期雇用労働者が増えたことで、給料が上がらず消費に回らなかった。消費税増税も大きく影響し、社会保障費も大きく上がり可処分所得が抑えられてきた。『日本の産業界が、自国の経済に自信が持てていない。今後は、景気マインドを上げる取り組みを最優先課題として取り組むことが重要だ。(佐々木俊尚・ジャーナリスト)』

 栃木県は昨日、県内への適用期限が今月20日までとなっている新型コロナウイルスの感染拡大によるまん延防止等重点措置について、オミクロン株の猛威で感染状況が高い水準で推移していることから、政府に延長を要請しました。重点措置開始日と14日時点のそれぞれの数字を比べると病床使用率は1.4倍の43.3%、重症病床使用率は、0%から15%、中等症の人数は3倍の52人に増えています。こうしたことから医療提供体制への負荷が増している現状を踏まえ、県は措置の延長要請を判断しました。 オンラインで開かれた全国知事会の緊急対策本部で福田知事は、国のオミクロン株の対応について「適切な対策がとれているか疑問」と述べ、飲食店への時短要請だけでいいのか早急に検討して方針に反映するよう要望しました。現状、家庭内感染が主流となり広がっているようです。今後は、子供へのワクチン接種、3回目の接種がカギとなりますので、関係機関には体制整備をお願いします。

 連合栃木は、「未来をつくる、みんなでつくる」2022春季生活闘争を展開しています。1997年をピークに私たちの賃金は上がっていません。私たちはこれまで、今は企業も厳しいから我慢をしてくれと言われ続け従ってきましたが、そろそろ我慢の限界ではないでしょうか。足元大変厳しい状況は認識していますが、すべての働く仲間と共に、今次取り組みを積極的に進めて参ります。その中で、今月末から来月初旬にかけて、栃木県や栃木労働局、経営者協会、商工三団体などに春闘要請行動を行います。その中でも景気マインドの向上についても視野に入れ、私たち働く者の想いをしっかり伝えてまいります。ご支援ご協力よろしくお願いします。