栃木県新型コロナウイルス感染症対策本部は、第75回対策本部会議を開催し、1日あたりの新規感染者数は連日過去最高を更新し、人口 10 万人あたりの新規感染者数も1月23日には142.1人となり過去最高を更新するなど、感染の急拡大が継続し、病床使用率も徐々に増加し35%を超えるなど、医療提供体制への負荷も高まりつつあります。本県の基本的対応方針に基づき、まん延防止等重点措置区域となった場合の対策を確実に講じることとしました。(感対第615号 令和4年1月25日)
1月22日に東京都でコロナ感染者数が初の1万人を超え、全国で5万人に達し、25日には6万人、なんと3日で1万人増えたことになります。田村前厚労相はテレビ番組で、この先の新規感染者は「1日10万人で収まればいい方だ!」と発言し、2月8日には東京都で140万人、都民の10人に1人が濃厚接触者になるという政策研究大学院大学・土屋教授の試算もある。現在日本では濃厚接触者は「10日間、不要不急の外出を自粛し、健康観察」を求められています。しかし、そうなってしまっては、私たちの生活が成り立ちません。昨日行われた国会の予算委員会で、野党議員から子供がコロナ感染症に罹ってしまい、親が看病のために濃厚接触者とされてしまうと10日間会社を休まなければならない。といった問題が起きている。濃厚接触者の10日自粛期間を短縮出来ないか。と再三質問がありましたが、岸田首相は「検討する」の一点張りでした。これまでもこのような国会審議で即答することはありませんでしたので理解しますが、現在の状況を鑑みると10人に1人が、濃厚接触者にならないとは言い切れませんので、専門家を交え意見を聞いた上で結論を出していただきたいものです。
ひと足先にオミクロン株の感染爆発を迎えた世界はどうなっているのでしょう。イギリスでは、ワクチン接種者で、かつ症状がなければ濃厚接触者の隔離は不要となっています。フランスやアメリカも同様の扱いをしています。カナダも濃厚接触者の扱いについては同様ですが、州保健局長のボニー・ヘンリー医師は、「誰もが濃厚接触者であると考えるべきで、疫学調査はもはや有効ではない。生きていく上ですべてのリスクを取り除くことはできない」と述べています。スウェーデンでは、濃厚接触者の隔離は5日間が原則だが、エッセンシャルワーカー(電力など生活インフラや医療、警察、交通サービスなどに従事する人)をその対象から外しています。一方、ドイツでは「検査で陰性ならば7日間」と短縮幅は小さく慎重な対応をしています。感染者についても欧米は緩和の流れにありますが、フランスは、1日30万人台で推移しています。
オミクロン株の問題点について、公立陶生病院の武藤医師は、濃厚接触者になった職員が仕事に来られないことで、一般の患者さんの受け入れ制限をしている病院が増えてきている。対オミクロン株に際し、日本では緩和に向かいつつありますが、注意しなければならないのは、ブースター接種だと専門家が言っています。米国では現時点で63%、英国は72%、フランスは76%を超えています。また、フランスでは、レストラン等屋内施設を利用するにあたり、ワクチンの3回接種証明の提示を義務付ける法案が閣議決定されました。日本では、エッセンシャルワーカーや高齢者から3回目のワクチン接種が始まっていますが、1月末までの接種を想定している約1470万人のうち、実際の接種者は23日時点で16%の約236万人に留まっていて、全人口でみた接種率は2.1%で、OECD加盟国の中で最下位。また、3月からは5才~11才までの接種が始まります。混乱は必至と考えます。現場で対応される皆様にはご苦労おかけいたします。前回のブログでも申し上げましたが、感染症対策の切り札は、ワクチンと治療薬と申し上げました。国民の不安を解消するためには、ワクチンの確保と接種時期の明確化ではないでしょうか。
連合は、まん延防止等重点措置適用を踏まえ、構成組織、地域協議会と連携し、感染症対策(マスク着用、手指の消毒、密を避け、換気に気を付ける等)を守り、感染拡大防止に努めてまいります。皆様のご協力よろしくお願いします。