仕事納め


 今日28日は、官公庁御用納め、仕事納めです。日本の官公庁では、行政機関の休日に関する法律(昭和63年12月13日法律第91号)により、12月29日から1月3日までを休日とし、原則として執務を行わないものとしており、12月28日を御用納めとして、その年の最後の業務日となっている。一般企業でもこれに準じていることが多いが、年末が多忙な業種などでは12月29日を仕事納めとする企業もある。また、銀行などの金融機関では、12月30日まで窓口業務を行っている(ウィキペディアより)。特に今年の仕事納め日として特徴的なのは、コロナウイルス感染症の影響により、半導体や部品の供給不足によって、生産が出来ないため、私の出身工場でも昨日から冬期休暇に入ったと聞いています。

 日本マクドナルドが「マックフライポテト」の一部について7日間販売休止にすると発表しました。ポテトだけでなく、プリンタやカーナビなど、多くの商品が品薄になっているが、なぜこうした事態が発生するのだろうか。ポテトの品薄の背景となった物流網の混乱についてですが、日本は米国からのジャガイモ輸入について制限を設けているため、一部の外食産業は調理済み食材としてジャガイモを輸入しています。マックフライポテトには米国産のジャガイモが使われており、米国内でカットや下揚げが行われ、冷凍された状態で日本に輸入されます。このため貿易が滞ると、品薄を引き起こすリスクがあります。一連のトラブルには構造的要因が存在すると考えた方がよい。実際、他の企業や業種でも似たような問題が発生しており、影響はあらゆる分野に及んでいるということです。米国ロサンゼルス港で荷揚げが滞留し、一時、70隻のコンテナ船が沖合で待機するという異常事態も発生しました。

コロナ以前、各国企業は全世界を網羅した巨大なサプライチェーンを構築しており、1円でも安く購入できる見通しがあれば、地球の裏側からでも商品を調達するのが当たり前でした。ところが米中の政治的対立とコロナ危機という、従来の常識を覆す出来事が相次いで発生したことから、状況が一気に変わってしまいました。米国民は旺盛な消費欲を背景に、安価な中国製品を次々と購入することができました。ところがトランプ政権以降、米中対立が激しくなり両国の貿易が停滞、米国企業と中国企業はそれぞれ個別に商品を発注するようになりました。これだけでも大変なことですが、ここに重なったのがコロナ危機、物資の輸送にはコンテナ船に代表される船舶が用いられますが、コンテナというのは多くの人が想像する以上に世界各地を回っています。

一連の混乱に対するコロナ危機の寄与度は高く、感染が終息に向かえば品不足はある程度、緩和されると予想されています。しかしながら、米中対立という政治的要因が残っているため、万事解決とはいかないのが現実、米中対立は今後も継続する可能性が高く、各国企業はこれを前提に調達網の切り換えを進めています。このまま米中対立が継続した場合、米国を中心とした米国圏、中国と東南アジアを中心とした中華圏という単独経済圏が出現する可能性が高く、これに欧州が加われば、世界経済は、米国、中国、欧州の3大ブロック体制にシフトするだろう。経済圏が3つに分断されれば、規模のメリットが消滅し、各経済圏における調達コストは上がらざるを得ません。これは資源をめぐる争奪戦ともいえる状況であり、買い負けした国は品薄などの混乱を招きやすく、従来の日本は貿易で国を成り立たせており、米国と中国が友好関係にあることのメリットを最大限享受できていましたが、これからの時代は違う。3つの巨大経済圏に対して買い負けしない購買力を確保できなければ、常に物資の確保に追われる可能性も否定できません。いつでも安い商品を確保できる牧歌的な時代は終わりを迎えつつあります。(加谷 珪一:経済評論家)

更に、北京2022冬期オリンピックが、2月4日から開催されます。中国の新疆ウイグル自治区や香港などの人権問題などを理由に、米国は早くから「外交的ボイコット」を表明し、日本政府も政府閣僚を派遣しないことを決定しました。スポーツに政治が介入するのはどうかということもありますが、経済圏の分断に拍車が掛かることは間違いありません。私たちは、命と暮らし雇用を守るためにも、経済の回復が重要であると認識しています。何とか先行きが見えてきたところで、新たな変異株「オミクロン」が現れ、懸念材料となっていますが、経済圏の分断により経済が滞るようなことがあれば、予想を超える事態になりかねません。連合が取り組む国際活動、経済連携や、7つの絆、平和人権運動など重要視し積極的に取り組んでいかなければならないと考えています。皆様のご支援とご協力よろしくお願いします。

 2021年最後のブログとなりますが、働くことを軸とする安心社会、まもる、つなぐ、つくりだす、明るい未来に向けて。コロナ禍にあっても働く者、納税者の立場で、運動を展開することが出来ました。構成組織、地域協議会、労働者福祉団体、議員懇談会、友誼団体の皆様に心から感謝申し上げます。皆様にとりまして2022年が、輝かしい一年となることを祈念申し上げます。良い年をお迎えください。