「ジェンダー平等」について


 2021年の世相を1字で表す「今年の漢字」が「金」に決まり、日本漢字能力検定協会が13日、京都市の清水寺で発表しました。「金」が選ばれるのは00年、12年、16年に続いて4度目ということです。「東京オリンピックが無事開催され、日本のメダル獲得数が史上最多」「大谷翔平選手や藤井聡太四冠などが金字塔を打ち立てた」「コロナ禍で生活が困窮する方々に多くの支援金が充てられた」などの応募理由が紹介されました。2020東京オリンピックの金メダル1号は、柔道60キロ級の栃木県出身、高藤直寿さんでした。栃木県民として名誉なことで誇らしく思った方は多かったのではないでしょうか。また、今年の新語・流行語大賞は「リアル二刀流/ショウタイム」でした。いずれもスポーツに関するものでした。ベストテンには、人流や黙食といった感染症を連想するものもありましたが、先の見えない状況を伝えるよりも、明るい話題を提供しようということもあり納得できる結果となりました。

 さて、流行語大賞には、「ジェンダー平等」もランクインしました。ジェンダー平等とは“平等な機会と権利を性別にかかわらずすべての人が持ち得ること”とあります。12月11日には、連合栃木女性委員会第32回定期総会が行われました。井田治美委員長のあいさつで、「連合栃木に集う私たち組合員は、まずは『ジェンダー平等』の本質をしっかり学び、考え、未来の変化を迎えるために土壌を耕し、意思決定の場に女性が参画できる社会に、私たちから一歩ずつ近づいていきましょう。」と力強い挨拶がありました。連合本部第17回定期大会におきまして、JAM出身、芳野友子さんが初の女性会長として選任されました。芳野会長は、どのように「ガラスの天井」を破ったのでしょうか。というメディアの取材にたいして、私が組合活動に関わりだした頃は、産業別の上部団体で活躍するだろうと思っていた女性の先輩たちが、役員の改選とともに退いてしまう様子を見てきました。そこで「ガラスの天井」を知ったんです。意欲はあるのに、組織の何らかの事情で降ろされてしまう。「組合活動をやっているような女性はお嫁に行けない」というイメージもありました。ポストが上がり、期待され、それに応えようということを繰り返し、気づいたら今があるという感じです。女性の期待が一番大きかったと思います。労組に対して「暗い」とか「お堅い」といったイメージを持つ人はいます。でも自分が「女性初」ということで注目されると、労組や連合に関心を持ってもらえるので、その点は前向きにとらえています。労組は仲間作りから始まっているので、共感し合える仲間に出会えます。また、連合は異業種の集まりなので、働き方や制度の多様さに気づけます。課題を共有し、解決するためのツールとして活用してほしいと語られました。

栃木県や市・町の行政の方、各種団体に要請行動など行っていますと、意見交換の中でも「連合会長が女性になりましたね」とお話をいただく機会が増えていて、注目されていることを実感しています。2022春季生活闘争では、感染症を踏まえた上での取り組みや格差の問題、来年7月に施行される参議院選挙に於いては、連合と立民、国民民主党との関係など課題は山積していますが、芳野会長の視点で、構成組織・地方連合会と連携し、働くことを軸とする安心社会、すべての働く人、納税者に寄り添った共感の得られる運動を展開していただきたい。連合栃木も「ジェンダー平等」を意識して取り組んでまいります。