人権について考える


 12月を迎え、冷え込みも日ごとに厳しくなってまいりました。山の景色は紅葉から、雪景色と変わり、季節は冬にまっしぐらといったところです。山に向かった車が、雪のため登れなくて立ち往生という情報も聞こえていますが、皆さんは冬タイヤの装着、お済みでしょうか。雪が降ってからでは大変です。特にディーラーやスタンドで交換する方はなおさら混雑しますので、冬場の事故防止の観点からも早めの対応をお願いします。

 さて、前回のブログでも12月10日、明日までの1週間を人権週間と定められていると紹介しましたが、人権について考えてみたいと思います。“人権とは、「この世界に生を受けたすべての人に人間らしく幸せに生きていく権利があります。この権利を『人権』といいます。『人権』私たちが生まれながらに持っている権利で、とても身近で大切なものです。”

12月6日の下野新聞の7面に、中学生人権作文コンテスト県大会で140校2万3千超の応募の中から、最優秀賞作品の紹介がありました。その中の作品です「矢板中3年斎藤遥花さん」は、合唱コンクールに出場するために、遥花さんがリーダーとして練習を重ねる中で、特別支援学級の2人のメンバーに対し、クラスメイトから差別的発言があり、バラバラになってしまいました。チームの立て直しに向けて、お母さんの助言や先生の指導を受けて、金賞を受賞したことについて書かれました。「なぜ差別してしまうのか」について考え、「差別に何の意味もない」ということに気が付いたということです。お母さんの遥花さんに対する心のこもった対応や、先生の的確な指導、何よりも遥花さんが、メンバー全員に対して、特別支援学級の2人が、ハンディーを持ちながら頑張っていること、そのためにはクラス全員が2人を「仲間」として認める必要があることを説明し、理解が得られました。私は、遥花さんがリーダーとして、行動した勇気に感心させられました。この経験は、遥花さんは基より、メンバー全員にとって貴重な経験になった事でしょう。

この作品を読んで、以前に栃木教育ネットワークユニオンの皆さんと、「みんなの学校」という映画を各地域協議会で上映する機会がありました。その内容は、障がい者と健常者が共に学ぶ「インクルーシブ教育」。先生と生徒、生徒と生徒、障がい者と健常者の日常の葛藤を描いたものでした。はじめは中々受け入れられませんでしたが、徐々にお互いがお互いを理解し、クラスのみんながハンディーを持った子を思いやり、誰がではなくみんながそれぞれの立場で、支え合い助け合いクラスが一つになっていくという映画でした。共生や包摂、誰一人取り残さない社会と言うのは簡単です。自ら行動しなければ何も変わりません。

 明日12月10日から16日は、北朝鮮人権侵害問題啓発週間です。北朝鮮による日本人拉致事件の早期解決のために連合は、北朝鮮による拉致事件の全面解決と、拉致被害者全員の即時帰国の実現に向け取り組んでいます。11月26日にはUAゼンセンと共催で、村尾建兒氏(特定失踪者問題調査会 副代表)を招き、理解を深めるための講演会と街頭での訴えを行いました。拉致は明らかに人権侵害であり、国家の主権をも侵害する行為です。連合は、この事件によるすべての被害者が帰国するまで、解決に向けた運動を続けます。

連合栃木は、人権を守るための取り組みを積極的に行っています。引き続き構成組織・地域協議会皆様のご支援ご協力よろしくお願いします。