栃木県は先月末で、新規感染者数の減少や病床使用率の改善を受け、県独自の警戒度レベルを最も低い「ステージ1(感染観察)」に引き下げることを決めました。こうした状況を受け、同一グループで4人までとしていた飲食店の利用人数制限や、午後9時までのイベントの開催時間の制限を緩和することや、イベントの収容上限人数は収容率50%以内かつ上限1万人までとしてきましたが、1万人以下の制限をなくすことも決めました。しかし、年末に向けて多くの人が集まる機会が増えるため、基本的な感染症対策の徹底を継続して呼び掛けています。コロナウイルス感染症については、概ね終息傾向となっていて過去の話となりつつありますが、だからこそ感染症対策について検討することが重要と考えます。引き続き一人一人が、感染症対策を行っていただきたいと考えています。
このような状況の中で、第49回衆議院選挙が行われました。連合本部の談話として、全国的に多くの選挙区で与野党一騎打ちとなる構図がつくられ各地で激戦が繰り広げられたが、その大半を与党が制するなど、自民党と公明党が293議席を獲得し、絶対安定多数を許す結果となった。連合は、立憲民主党・国民民主党の議席の最大化をめざし、両党と政策協定を締結して三者一丸となって選挙戦に臨んだ。国民民主党は現職全員が当選し比例代表で議席を伸ばし健闘した。一方、野党第一党でもある立憲民主党は小選挙区で接戦を繰り広げたものの、改選前の議席を割り込んだことは大きな課題を残した。両党には、連携・協力をさらに深化させていくことに期待する。投票率は、前回を上回ったものの、戦後3番目に低い数値となった。与野党ともに深刻に受け止め、国民に寄り添った政治に努めるべきである。連合は、今次選挙で働く者・生活者の立場に立った勢力の拡大をめざし闘ったが、推薦候補者の当選は前回と同じ99名にとどまり、多くの惜敗者が出たことは痛恨の極みである。連合は、「働くことを軸とする安心社会」の実現のために、立憲民主党・国民民主党とより密に連携するとともに、推薦議員との関係を強化し、政策実現に取り組む。また、今回の取り組みを検証し、来夏に行われる参議院選挙において明るい展望が開ける結果が得られるよう、組織一丸となって政治活動に邁進していくと示しました。今回の総選挙、専門家から見た目として、出口調査の状況等から、若い世代が「アベノミクス」の成果を掲げ経済の重要性を訴えた自民党を支持し、60代・70代等シルバー世代は、財政再建政策を打ち出し、国有地売却問題や、政治献金問題を批判した立憲民主党を指示した。これまでの衆議院選は、保守とリベラルという対立の構図だったが、自民党に対し、維新・国民民主と保守同士の対立軸と少し違ってきていると話していました。
栃木県では、1区以外で、与野党一騎打ちとなる構図がつくられましたが、自民党が2区を除く4選挙区で勝利し、2区で比例復活した新人候補者も含めると5人全員が当選しました。私たちが推薦した立憲民主党1区から4区、4名の候補者は、選挙区は2区の福田昭夫氏で勝利し、4区の藤岡隆雄氏は選挙区では及ばなかったものの、4回目の挑戦で比例初当選しました。1区・渡辺典喜氏、3区・伊賀央氏は、惜敗となりました。投票率については、連合栃木として60%を目標に取り組みましたが、53.06%(前回比+1.41%)に留まりました。今回の衆議院選挙の総括については、もう少し時間が要しますが、比例復活ではありますが、藤岡衆議院議員が誕生したことは連合栃木にとって大きな収穫となりました。
しかし、私たちが支持する政党が2者選択制のような選挙を繰り返している様であれば、若者の政治離れが問題視されている以上に、組合員の政治離れが増幅してしまうと感じています。私たち労働者にとって日本社会は、超少子高齢化による雇用労働者の減少、脱炭素・カーボンニュートラル、デジタル化に伴い産業構造が大きく変化するその只中にあります。感染症や各地で発生している自然災害にも対応しなければなりません。そのような状況の中で、私たちの今後を考えても政治が重要であることは言うまでもありません。立憲民主党枝野代表は、選挙結果を受けて辞任を決断されました。この間のご労苦に敬意と感謝を申し上げます。新たな代表が新たな歩みを始めようとしていますが、難しいことは承知しますが、全ての働く仲間の共感を得られるような政党の舵きりを願っています。今次衆議院選挙に於いて、ご支援いただきました構成組織、地域協議会、議員懇談会、組合員のご家族皆様に感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。