コロナ禍と教育現場について


 栃木県は12日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、新規感染者数が減少していることなどから、県南4市に適用されていた「県版まん延防止等重点措置」を昨日解除し、約2カ月半ぶりに、全県で飲食店への時短要請の制限がなくなり、経済活動の回復に向け、県内の宿泊・日帰り旅行代を割り引く「県民一家族一旅行」事業を16日から再開することを決めました。また、飲食店を支援する「GoToEatキャンペーン」を11月10日ごろから始めることも決定しました。今後のコロナウイルス感染症の状況は気になるところですが、終息を願いつつ、引き続き感染症対策を怠ることなく営業いただき、今回示された事業については歓迎するとともに、知恵を出し合い経済活動にも力を注いでいただきたいと考えています。

 さて、栃木県教育委員会がまとめた、栃木県内国公私立の小中高校と特別支援学校で2020年度に認知したいじめの件数が、前年度比1,427件減の4,576件だったことが13日、文部科学省の問題行動調査で分かりました。コロナ禍による長期休校などが影響し、減少したとみられています。いじめの内容(複数回答)は「冷やかし」が2,750件(60.8%)で最多。「軽くたたかれる」901件(19.9%)、「仲間外れ」713件(15.8%)などと続いています。一方、メールや会員制交流サイト(SNS)などを通じた「ネットいじめ」が、小中ともに増加が目立っているようです。ネットいじめに関しては、GIGAスクール構想の中で、1人1台端末が与えられていますが、この端末を使ってのいじめも多く発生していて、使用規制も検討しなければならない状況のようです。メールなどでの誹謗中傷は、298件(6.6%)と全体に占める割合は少ないものの、小学校で39件増の106件、中学校で70件増の152件となり、増加が目立ちました。また、コロナ感染回避を理由とする長期欠席は203人だったことが判りました。30日以上の長期欠席をした児童生徒のうち、病気や経済的理由を除いた「不登校」は8年連続で増加。小学校73人増の973人、中学校173人増の2,380人でした。不登校の要因として、無気力・不安(46.9%)、生活リズムの乱れ、遊び・非行(12.0%)、友人関係(10.6%)、親子のかかわり方(8.9%)となっている。新型コロナウイルス下の学校に様々な影響が出ていて、制限続きの学校生活で、漠然とした理由の不登校が増加しており、子ども同士の接触減少で減ったとされるいじめは、感染対策に追われる教員の見逃しの可能性も指摘されているようです。『孤立感を深める子供と、多忙化に拍車がかかる教員、学校現場に重くのしかかる(10月14日・下野新聞)』。連合栃木は、教育問題について連合本部、日教組本部、栃木教育ネットワークユニオンと連携して学びの安心安全を目指し、運動を展開しています。

 昨日、衆議院が解散し19日公示、31日投開票で衆議院議員選挙が施行されます。今回の論点については、コロナ対策と経済対策となっていますが、将来の日本を背負う子どもたちの未来のために教育政策にも力を注いでいただきたい。このことを切に願います。私たちは働くことを軸とする安心社会を政策の柱としていますが、子や孫が安心して教育を受けられなければ安心して働くことが出来ないということも、訴えているところです。私の子どものころは、今のような陰険ないじめ、まして携帯電話やパソコンなどもありませんでしたので、メールのいじめ等もありませんでした。子どものけんかに親は口を出さないということがありましたが、今の時代に合わなくなっているように感じます。子供の変化に気づいていただき、迅速な対応が必要になっていると感じています。何かと忙しく子どもとの関係も疎遠になっているのではないでしょうか。コロナ禍で家にいる時間が増えても、表向きの応答になっているのではないでしょうか。お子様をお持ちの皆さんは、子どもの心の叫びを受け止めて対応いただきます様お願いします。