コロナウイルス変異株について


東北から九州で厳しい暑さが続き、35℃以上の地点が今年最多となり、先日には「39都府県に熱中症警戒アラート」が発出されました。このような過酷な状況の中で、2020東京五輪が開催されています。競技も残り2日間となりましたが、日本選手団は目覚ましい活躍を見せていて、これまでにないメダルを獲得しています。引き続き熱中症などに気を付けて、実力を発揮していただきたいと思います。

一方、コロナウイルス感染症の爆発といってもよい状況が続いています。新型コロナウイルス対策で、専門家でつくる分科会は「まん延防止等重点措置」の適用地域に、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加し、重点措置の適用地域は、5道府県から、13道府県に拡大されることになりました。西村経済再生担当大臣は「全国の多くの地域で、新規陽性者数が、これまで経験したことがないような、極めて速い、桁違いの急速な増加をしている状況だ。それに伴い、重症者の数も2週間程度で2倍に増え、医療現場が厳しい状況になってきている。『デルタ株』が首都圏で9割を占めてくるという状況で、局面が変わってきており、これまで以上に危機感を共有しながら対策を徹底する必要がある」と指摘しました。そして、飲食店での酒の提供を原則停止するなどの対策を徹底し、医療提供体制の確保に取り組む考えを示すとともに、国民に対し、お盆時期の帰省や旅行は極力控え、出張などで移動する際も検査を受けるよう呼びかけました。

立憲民主党の長妻昭副代表は、4日衆院厚労委員会の閉会中審査で、新型コロナウイルス感染者のうち、重症化リスクの低い中等症以下の患者は基本的に自宅療養とする方針を見直す可能性について言及した。田村厚生労働相は、「病床確保のための対応であることを理解してほしい」と強調した上で、在宅患者への処置が想定通り進まない場合の方策として「また元へ戻し、しっかりと(中等症患者も病院に)入ってもらえばいい」と述べました。その後、与野党からの強い反対もあり、昨日行われた新型コロナ対策本部会議で、政府の入院制限方針のポイントを示しました。その中で、全国一律ではなく自治体の判断、選択によるとしています。これを受けて栃木県として昨日、福田知事が記者会見を行い、「原則入院の対応を強化していく」と表明しました。

なぜこのような対応をしなければならないのか考えてみたいと思います。これらの発信の根底にあるものは、医療体制が逼迫することで、救える命が救えなくなるということです。この対策として講じられることが、緊急事態宣言や、まん延防止措置を講じて、これ以上の感染症を発生させない。そしてもう一つは、医療体制が逼迫しているので、病床数を増やすことや、医療従事者を充足するなどです。この対策は、コロナウイルス感染症が拡大するたびに考えられてきましたが、未だに対応されていないことが問題とされています。この問題解決には、政治の役割が重要視されますが、機能不全を起こしているとしか思えないほど進んでいません。平時ではなく、緊急事態です。国民の命と健康を守るための対応を、最優先に対応を願うばかりです。

今回の感染拡大については、前回のブログでもお話しましたが、ワクチン接種が進み、もう大丈夫という安心感が人流の増加に拍車をかけたということを紹介しましたが、ワクチンを接種したからと言って安心はできないようです。確かに感染しにくくなる、重症化しにくくなることは検証結果から証明されていますが、全く感染しないわけではありません。現にワクチン接種後にコロナに感染した方もいます。感染力の強い『デルタ株』ですが、これはコロナ感染症が爆発的に増えたインドで、人から人に繰り返し感染し、変異によって現れたウイルスです。そのようなことを考えると、ワクチン接種さえ済ませれば、という考え方ではなく、ワクチン接種もこれまで以上にすべての国民を対象に強力に推し進め、そして感染力の強い『デルタ株』にも負けない、コロナウイルス感染症対策を強力に進めなければなりません。企業によっては、夏休みというところもありますが、我慢していただき不要不急の外出は避けることが重要です。県民皆様には、引き続きご理解いただきご対応をいただきますようお願いします。