コロナ禍と東京五輪について


7月23日に開幕した2020東京オリンピックは今日で1週間が過ぎました。このコロナ禍で、開催にあたっては、国会でも賛否について質疑が行われました。また、各地で五輪反対運動が行われる中で、本当に開催できるのか懸念されながら、東京国立競技場に於いて開会式が行われました。無観客ということでしたが、国立競技場周辺には開会式を間近で見ようと大勢の人が競技場を取り囲みました。それは密を避けるどころか密そのもので、何のために無観客にしたのか目を疑う状況でした。それならコロナ感染症対策をしっかり行い、入場させた方が良かったのではないかと思った方も多かったのではないでしょうか。

開会式そのものについても賛否両論入り混じりました。開会式を見た北野たけしさんは、「恥ずかしくて海外に行けない」と揶揄していましたが、近年のオリンピック開会式はショーアップされ、オープニングアクトの出来不出来を問うものになっていました。しかし、これまでに全世界で報告されたコロナウイルス感染者の累計は1億8,300万人を超え、死亡者の累計は約400万人となっています。そのことを考えると、控えめな演出となった今回の開会式は、少し物足りなさを感じましたが、かえって良かったという意見も多くありました。私も歌舞伎や和太鼓音楽など日本の文化を紹介できたことや、ピクトグラムではドキドキしましたが、1,824台のドローンを使った近未来的な演出もあり、入場行進の懐かしいゲーム音楽や、国名紹介のプラカードにはマンガの吹き出しを用いるなど、日本らしい工夫も見られとても良かったと思いました。何より入場行進で、各国の選手が楽しそうに入場していたことが、とてもよかった。オリンピックの主役は選手ですので、行進している各国の選手の中には、携帯電話を片手に自撮りしている人もいて、今までの大会では見たことがない光景で時代の変化を感じました。開催できるか否かの中で開かれた開会式ということもあり感動しました。競技についてですが、これまで獲得したメダルの数は、金15個、銀4個、銅6個と日本は連日メダルラッシュが続き、メダルの数だけを競っているわけでは無いことは承知していますが、その目覚ましい活躍に、コロナ禍の閉塞感が漂う状況の中で勇気と元気をいただき、選手の皆さんに感謝です。その選手の皆さんが口を揃えていう言葉は「オリンピックを開催していただき感謝している」ということです。勿論、これまで支えていただいた監督やコーチ、家族の皆さんのことにも触れていますが、1年延期になり、身体のコンディションや年齢制限なども考えると、今年開催されなければこのオリンピックに参加出来なかったという方も多いでしょう。私は、選手の皆さんに「出場してくれてありがとう」と言いたい。

さて、コロナ感染症の状況ですが、既に東京都、沖縄県に発出している緊急事態宣言を8月2日から31日まで延長し、新たに神奈川・埼玉・千葉県、大阪府(1府4県)を追加することを決めました。栃木県でも昨日、計142人が新型コロナウイルスに感染したと発表され、1日当たりの発表数としては150人だった今年1月8日に次いで過去2番目の多さとなっています。県内の累計感染者数は8,034人となりました。これを受けて、昨日対策本部会議を開き警戒レベルを「ステージ3(まん延防止等重点措置)」へ引き上げ、感染拡大が深刻な宇都宮、足利、栃木、佐野、日光、小山、真岡の7市の飲食店に対し、時間短縮営業を要請することを決めました。

今回のこのコロナ感染症急拡大その認識について、本日行われた衆議院議員運営委員会で、浅野哲議員(国民民主党)の質問に対し、田村厚生労働大臣が、自粛疲れ、過度の風邪という認識が広まり、人流が増えている、という答弁をしていました。自粛疲れという面では、7月22日からの4連休を見ても、子どもたちが夏休みということもあって、那須地域などは相当の人出だったと聞いています。もう一点は、ワクチン接種が進み、親は接種したので実家に帰っても大丈夫という人も多くなっていると思います。緊急事態宣言の効果も期待できません。感染力の強いデルタ株のまん延で、感染急拡大が進んでいる中で、同じことを繰り返しても終息するとは思えません。補償の伴った外出規制など厳しい取り組みも必要なのではないかと考えます。いずれにしても東京オリパラ、高校野球などイベントが続きますが、ステイホームに徹する等、引き続き感染症対策をしっかり行い、この夏を乗り切りましょう。