森友問題について


5年前の2016年6月、学校法人「森友学園」に大阪府豊中市の国有地が払い下げられました。不動産鑑定士が出した土地の評価額は9億5600万円でしたが、近畿財務局が出した払い下げ価格は「約8億円引き」の1億3400万円でした。森友学園の籠池泰典理事長(当時)が近畿財務局との交渉時に安倍前首相の昭恵夫人との交流を強調していたことなども判明し、首相夫妻の影響で土地の価格が不当に安くなったのではないか。また、財務省理財局による決裁文書改ざん問題も発生しました。財務省が国有地払い下げの経緯を記した文書を国会に提出した際、首相や昭恵夫人の関与が疑われかねない記述を削除していたことを認めました。公文書改ざんは民主主義の根幹を揺るがす事態であり、18年3月27日には佐川宣寿元理財局長が国会に証人喚問されました。財務省は18年5月23日、これまで「残っていない」と国会で答弁していた森友学園と近畿財務局の交渉記録を国会に提出しました。18年6月4日には改ざんの調査報告書も公表しました。この問題では、直接文書改ざんを行ったとされる、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)が改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」を16日、遺族に開示しました。同省理財局は佐川宣寿局長(当時)の「直接指示」を伝えるメールを財務局に送信。赤木さんは理財局側に直接メールし「(改ざんに)疑問が残る」と抗議していました。財務局が抵抗した状況や、組織ぐるみの改ざんを巡る詳細なやり取りが綴られており、今後明らかになる部分もあると考えます。

私は、このような事件が発生した時について述べてきましたが、事実に基づき検証することが問題解決の一番の近道であり、何が起きたのかが把握できなければ、また同じことが起きてしまい歯止めがかかりません。この件に関しては事実に基づく公文書を改ざんしたという前代未聞の事件であり、奥深い事件となっています。この問題については、亡くなられた赤木さんの奥様がさらに争うと言っていること、また、野党も再調査を望んでおり更なる当時の状況調査が行われます。いずれにしても正義感溢れる有能な人財が自ら命を絶ったという事実に向き合い、重要なことは、二度とこのようなことを起こさない、起きてはならないということを理財局は基より、関係各所で徹底していただきたいと切に願います。引き続き今後の経過や結果については、皆様に示してまいりますので注視してまいります。私たちは、“のどもと過ぎれば”という言葉があるように、前代未聞の事件を目の当たりにしたにも係わらず、赤木ファイルが提示されるまで遠い昔のことのように忘れていました。紛れもない事実として言えることは、当時の安倍政権下で起きた事案であること、そして、国会で発言した「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」と言った言葉の重みと、安倍政権を引き継ぎ当時官房長官であった菅総理にもせめて説明責任はあるものと考えています。

第49回衆議院議員選挙の施行は未だ不透明ですが、森友・加計学園問題、桜を見る会、参議院議員選広島で起きた贈収賄事件など、忘れてはならない事件が自民党政権下で起きました。最近の選挙結果では、そのようなことが度々あったことから、北海道2区、長野・広島の補選など野党候補が勝利しています。しかし、気がかりなのは投票率の低下が目立っているということです。栃木県でも、各地で首長選挙など行われましたが、いずれも低投票率で終了しています。組合員をはじめ有権者の皆様には、候補者の政策に耳を傾けていただき、私などが申し上げると語弊があることも承知していますが、皆様の権利として先人が勝ち取った選挙権です。皆様の貴重な一票を投じていただきたい。そして可能ならば、投票率をせめて50%は越えていただきたい。超えないものについては無効にすべきと考えています。そのくらいの覚悟で、国政に限らず選挙に取り組んでいただきたいと考えています。連合栃木では、「投票に行こう!」運動を引き続き展開してまいります。皆様のご協力よろしくお願いします。