ジェンダー平等について


今年の3月31日、世界経済フォーラム(WEF)がジェンダーギャップ指数を発表しました。日本は、156か国中120位(昨年121位)で、主要7か国で最下位となりました。特に政治分野が147位(昨年115位)、経済分野では117位(昨年115位)と依然格差が縮んでいません。ジェンダーギャップ指数は、経済・教育・医療・政治の4つの分野、14項目のデータで各国の男女の格差を分析したもので、評価しています。WEFは、男女平等は女性の人権問題であると同時に、経済発展にとっても重要であるとの視点から指数を毎年公表しているものです。

それぞれの項目で、各国との比較結果は、政治分野の女性政治家割合では、フランス39.5%、イギリス33.9%、アメリカ23.4%、とEUで3割を超えているのに対し日本では、9.9%と遅れていることが判ります。経済分野では、管理職に就く女性の割合が、アメリカ42%、イギリス36.8%、日本14.7%と比較にならないほど低くなっています。教育では、大学進学について男性56.6%、女性50.7%と格差があり、昨年の一般的労働者の月平均収入でも、男性33万8800円、女性25万1900円と男女間格差が大きい。夫婦別姓問題では25年間も解決できていない状況です。

女性活躍と言いながら、結果に結びついていないのはなぜなのか。同時期に入社した男性と女性について考えてみると、女性は、結婚や出産、育児に於いて休業を余儀なくされ、活躍の機会が失われ職場に復帰できたとしても遅れた職能は取り戻せないという現実があります。更に厚生労働省の調査によると、過去5年間に勤務先で育児に関する制度を利用しようとした男性の26.2%が、育児休業などを理由にした嫌がらせ「パタニティーハラスメント(パタハラ)」被害の経験があると回答していて、経験者の42.7%が上司による妨害行為を受けて、育休の利用を諦めた経験があることが判りました。政府は、男性の育休取得を促進するため今国会に育児・介護休業法などの改正案を提出していますが、改めて男性が育児で休みやすい職場の環境づくりのむずかしさが浮き彫りになりました。

連合は、2013年5月31日の第65回中央委員会で、2013年10月~2020年9月の7年間を計画期間とする「第4次男女平等参画推進計画」を確認しました。連合のめざす男女平等参画社会の理念を示した上で、「3つの目標」および「3つの数値目標」を掲げ、連合本部・構成組織・単組・地方連合会全体で取り組みを進めてきました。この度、同計画を2021年9月まで1年間延長し、その間の取り組みとして、「第4次男女平等参画推進計画」プラスを策定して引き続き運動を展開しています。コロナ感染症という未曾有の危機にさらされ、稼働日調整やシフト削減という厳しい状況に陥っている弱い立場の方々、特に女性にしわ寄せがきています。その方々に、支援の手がまだまだ届いていない状況であることも認識しています。政府には引き続きの対応を要請しています。

その中で、連合栃木では、現在のコロナ禍を踏まえ6月の男女平等強調月間の取り組みとして、栃木県内の関係機関に対し、正規雇用労働者の雇用維持として、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」について、認知度・利用状況の更なる向上に努めることや、失業等女性の雇用に関する問題の適切な把握と可視化、仕事と育児・介護、不妊治療等が両立できる就業環境の整備、ハラスメント対策、次世代育成支援、女性活躍推進などについて要請行動も計画しています。

現在、世界各国で女性への差別撤廃や男女平等の取り組みが行われ、多くの国が政治・経済の分野で一定比率を女性に割り当てる「クオータ制」を導入しています。社会の様々な場面で女性が参画し、活躍していくことが、人権が尊重されそれぞれが認めあう社会の構築に繋がるものと考えています。皆様のご理解よろしくお願いします。

男女平等をはじめとして、一人一人が尊重された「真の多様性」が根付く職場・社会の実現を目指していこう!