2020年度のGDPは、コロナウイルス感染症の影響で実質伸び率が、-4.6%であると、内閣府が発表しました。この数値は、比較可能な1995年度以降で最大の下落となりました。また今年1月から3月までのGDPは、-5.1%とこちらも3期振りのマイナスとなりました。中国やアメリカでは景気回復が加速した一方で、日本や欧州が遅れた形となりました。主要国・地域ごとの経済成長率を比べると、米国は前期比年率6.4%増と3四半期連続で増えました。これは、ワクチン接種が普及し、バイデン政権の経済対策による現金給付も始まったことで、個人消費が10.7%増と大きく伸びたことが要因のようです。中国では、前期比0.6%増、内閣府によると年率換算では2.4%増となり、プラスとなるのは4半期連続。新型コロナのまん延を食い止めつつ、企業活動が堅調に推移しているようです。一方で、ユーロ圏は前期比年率2.5%減と2四半期連続のマイナス。変異ウイルスの拡大で各国が都市封鎖し、経済活動が低迷しました。しかし、遅れているワクチン接種も春以降ドイツなどで進んでおり、回復に向かうと予想されています。英国は、5.9%減と3四半期振りマイナス。日本経済新聞がエコノミストに今後の見通しを聞いたところ、4~6月期は米中に加えて欧州も遅れていたワクチン接種が進み、回復が加速すると予測しています。
日本の経済回復が遅れている原因は、諸外国の状況を見て判るように、ワクチン対策で遅れをとっていることが問題です。現在のワクチン状況ですが、ファイザー社製の新型コロナワクチン接種は、2月17日より先行医療従事者を対象に開始されました。5月24日には自衛隊が運営する大規模接種センターが東京と大阪に開設され、接種のスピードアップが期待されています。また、65歳以上の高齢者3600万人へのファイザー社製ワクチンの供給も全国自治体へ発送済みです。欧州の輸出の承認などが想定どおり進めば、6月末までに65歳以上の高齢者全員が2回接種できる必要量のワクチンを発送完了する見込みとなっています。接種状況ですが、18日現在495万2144人で、医療従事者の77%が1回目の接種を終え、42.4%の方が2回目の接種を終えています。高齢者の接種については、1回目の接種者が17万3325人に留まっています。専門家の試算によりますと、1日に100万人がワクチン接種できれば、8月後半には全国民にいきわたることになり、終息に向かうと明言していますが、現在の接種状況は30万人/1日ですので、その差は大きくかけ離れています。今後、改善が図られて目標の接種が進めば9月~10月に接種が完了して、コロナ感染症は抑えられるとの見解がありますが、接種に関して問題も生じているようです。
各自治体では、知恵を出し合い、ご苦労をいただき対応していると聞いています。関係皆様に感謝を申し上げます。しかし、高齢者の方からは、「ワクチン接種予約が始まったが、コールセンターに繋がらないことで疲弊している高齢者が多い。接種場所と日時を予約するシステムになっているが、予め地区ごとに日時を指定して受ける運用の方が、効率的で経費も掛からないのではないか」との指摘もありました。今は、感染症という有事の事態に直面しています。ワクチンを接種することが目的にならないように、医療従事者や関係する皆様には引き続き大変なご苦労をいただきますが、よろしくお願いします。
感染症の状況は、依然として好転していません。様々な対応を試みていますが、的を得た対応が出来ていない状況が続いています。唯一効果が期待されるワクチン接種。これしか残されていません。今、私たち働く仲間の雇用が、コロナ感染症によって脅かされています。そしてそれは、より一層弱い立場の皆さんを苦しめています。日本の社会、経済を早急に取り戻さなければなりません。自分の命はもちろんですが、ご家族や職場で働く仲間、友人知人などの命を守ることが重要です。県内にも十分なワクチンが準備されているようですので、慌てず騒がずということも必要ではないでしょうか。経団連の要請により、企業によっては診療所でのワクチン接種など考えているようですので、労働組合としても労使合意に基づき対応してまいります。連合栃木も働く仲間と共に、力を合わせてコロナ感染症の危機を乗り越えてまいりたいと考えています。皆様のご協力よろしくお願いします。