今日は看護の日


毎年5月12日は、ナイチンゲールの誕生日に由来し、国際ナースデー看護の日とされ、日本では、1990年(平成2年)12月に厚生省(当時)により、国民の看護及び看護職に対する理解を深めるとともに、その社会的評価を高めていくための記念日として看護週間とともに制定され、1991年(平成3年)より実施されています。
奇しくも新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言は今日から、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県で5月31日までの延長期間に入り、愛知、福岡両県も追加され対象は6都府県に拡大。感染者は拡大傾向が継続し、我慢の生活がさらに続く状況になっています。
2021年5月11日現在、厚生労働省の発表によると日本国内での陽性者数は約64万人を超え、亡くなった方は約10,941人とされています。また、重症者は累計で約11万人が入院治療を要したとされ、大学病院・公立・公的病院などを中心に患者を受け入れて治療に当たってきました。そのような状況の中で、日赤病院で働く連合組合員の報告がありますので紹介します。

<日赤病院の看護現場報告>
報道でもいわれているとおり、ベッドがあってもその患者を看る人がいなければ、ベッドの数は増やすことはできません。ベッド数増には多くの看護師が必要となってきます。また、その看護も感染防御を徹底しながら、重症患者を看ることになり、看護の中でも非常に大変な仕事となっています。人工呼吸器についても、どの看護師でも扱えるものではなく、扱うには十分な知識と経験が必要になります。このようなことから現場では、一部の限られた看護師が緊張環境のなかで、患者を看続けていかなければならない状況になっています。ワクチン接種が始まってはいますが、終わりが見えず、厳しい現状がさらに悪化するかもしれない不安を抱えながらの看護が続いています。また、感染リスクを減らすためCOVID-19陽性患者との接触は最小限のスタッフに限っているので、看護師が本来の看護業務とは別に、掃除や介護など今まで別の職種が担当していた仕事なども担っています。その結果、病室で患者と接する時間が長くなり自分自身が感染するリスクを抱えるというジレンマのなかでの勤務となっています。救急の現場では自らの運転や徒歩で直接来院し、下痢・腹痛を訴えるなかで来院した方が、COVID-19陽性であったこともありました。来院時には発熱が無く、自宅では37.5℃だったとのことで検査を行い陽性が判明しました。また、近隣の病院でクラスターが発生し、クラスターが発生していない日赤病院に患者が集中した例がありました。その結果、呼吸器内科とは別な診療科が通常では考えられない多忙な状況に追い込まれ、いま入院している患者も含めて、転院手続きや家族への説明に追われた状況が生じてしまいました。まさに医療崩壊の一歩手前の状況です。OECDがまとめた2019年における人口1,000人あたりの病床数は、日本が13.0床で37の加盟国の中で最も多く、欧米と比較しても日本は病床数が多い。また、病院の数も2017年のデータでは日本 が最も多く、100万人あたりで66.4か所と、75.6か所の韓国に次いで多い。一方、看護師はどうであろうか。諸外国と比較すると「病床100床あたり臨床看護職 員数」を見ると、アメリカは394.5、イギリスが302.7、ドイツが164.1、フランスが161.8であるのに 対して、日本は83と大幅に少ない。今回のようなCOVID-19が感染拡大すると医療現場は、あっという間に逼迫することが明らかです。 通常時から今よりも多くの看護師を雇用するため労働条件や職場の環境改善など強く望まれています。
(月刊DIO.No365連合総研より)

連合は、「2021年度、重点政策」として、『すべての世代が安心できる社会保障制度の確立の中で、感染症禍に於いて医療崩壊を生じさせないよう、医療・介護人材の確保を含め提供体制の充実を図ること』と提言しています。また、医療現場からの報告の通り、私たちのために懸命に働いていただいている医療従事者に対し、誹謗中傷などあってはなりません。シトラスリボン運動も展開しています。私たち連合は、すべての働く皆様が安心して働き、暮らせる社会を目指して運動を展開しています。引き続きのご支援よろしくお願いします。