35人学級問題について


 4月5日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、全国で初めて大阪、兵庫、宮城の3府県に5月5日まで「まん延防止等重点措置」が適用されました。更に東京都でも昨日の感染者数が500人を超え、本日小池都知事は、「まん延防止等重点措置」適用を政府に要請することが決定しました。

私たちが支援する国民民主党の玉木雄一郎代表が、3月1日衆議院予算委員会に於いて、コロナ関連で質問に立ち「第3波を徹底的に封じ込め、第4波は絶対に起こさない。次の波が来るようなことがあれば日本の社会経済が崩壊する」と言っています。そこで提案したことが、①病床の確保②検査拡充③経済社会活動との両立です。今、次の波(第4波)が変異株となって起きようとしていて、また同じことの繰り返しです。私は、政府や首相がといった誰が悪いということではなくて、国民一人一人がどれだけ高い危機意識の中でコロナに立ち向かうか、ということではないかと考えています。政府は政府として、病床の確保や検査の拡充など引き続き進めていただきたい。飲食店や観光・バス・タクシー・鉄道・医療従事者など私たちの仲間の皆様が、大変厳しい状況に直面しています。連合は、雇用調整助成金の延長などを要請しているところですが、それぞれの分野で出来ることをしっかり行い、第4波に備えることが重要です。栃木県の現況ですが、感染者数について新たなクラスターが発生するなど、増加傾向となっています。いつ「まん延防止等重点措置」が発出されても仕方ない状況となっています。引き続きコロナウイルス感染症対策に基づく対応をいただきますようお願いします。

 話は変わりますが、小学校で1クラス35人以下にする改正義務教育標準法が、3月31日の参議院本会議で全会一致可決成立し、40年ぶりの大改正となりました。今回の改正について、日教組では、「教育現場が長らく求めてきた制度の実現」であると歓迎の談話を出しています。今回の改正の対象は、小学校であり、中学校や高校のクラスサイズ(学級規模)については今後の課題として残されました。加えて、今年度は小2、次年度は小3というように、5年かけて徐々に変えていくということです(小1は既に35人以下級)。35人学級のメリットは、「より一人ひとりの子どもに応じた、きめ細かな指導が可能となる」ということですが、教員の数を確保できるのか?という課題があります。萩生田光一文部科学相は6日の閣議後記者会見で、都道府県や政令市など公立小中学校の人事権を持つすべての自治体を対象に、今年度の始業日の欠員数を調査することを明らかにしました。その上で、数を確保できるなら誰でもいいのか?と言ったらそうではありません。数を確保するために、教員採用試験の倍率が下がり、質の高い教員を配備することの優先順位が下がる可能性も指摘されています。また、教育研究家の妹尾昌俊氏は、20代の先生が増え、若返りが進む都市部では、転職や離職の傾向が強いのに加え、精神的なうつ病などで休職する人も多いのが現状だと指摘します。

連合栃木では、2016年から連合本部、日教組、栃木教育ネットワークユニオンと組織強化に向けて、教育政策プロジェクトを立ち上げ、一体的に取り組んでまいりました。私も当時、宇都宮市内の小中学校を訪問し、校長先生と現場の先生方の働き方などについて意見交換をさせていただきました。そこで、疲弊した現場の状況を知ることができました。教育現場こそ働き方を見直し、魅力ある職場にしなければ数の確保に至らないと感じています。今回の制度改正は、今後段階的に進められますので引き続き注視し、政策制度要求運動に活かしてまいりたいと思います。

私たちは働くことを軸とする安心社会を求めています。子どもや孫が、安心して教育を受けられなければ、安心して働くことはできません。子を持つ組合員の皆様には、教育の現場にもっと関心を持っていただきますようお願いし、更にご意見などありましたら、連合栃木、栃木教育ネットワークユニオンにお寄せいただきますようよろしくお願いします。