東京2020オリパラ聖火リレーについて


 3月20日、栃木県に桜の開花宣言が出されました。宇都宮市内では3分咲きというところでしょうか。菜の花も黄色い花を付け、春の訪れを感じるところです。一方で、新型コロナウイルス感染症は、1都3県で延長されていた緊急事態宣言が、3月21日に解除されました。しかし、感染の再拡大(リバウンド)を防ぐため、飲食店やカラオケ店に要請している午後9時までの営業時間の短縮要請について、1カ月程度の時短要請を継続する必要があると判断し、4月21日まで継続する方針を固めました。また、山形県や宮城県では感染者が急増しており、山形県では、山形市を中心に村山地域で新型コロナウイルスの拡大が収まらず、山形県内では過去最多の31人だった21日に続き、22日は21人の感染が公表されました。県は22日、5段階の「注意・警戒レベル」を村山地域でレベル4(特別警戒)、山形市では初のレベル5(非常事態)に引き上げました。吉村知事と佐藤市長は共同で記者会見を開き、独自の緊急事態宣言を発表し、市全域で不要不急の外出や移動を自粛するよう求めました。このように、変異株の話も聞こえており、第4波は既に始まっているという専門家の意見もあります。油断を許さない状況が続いていますが、皆様には引き続き感染症対策にご協力お願いします。

 さて、このような状況の中で、1年延期されていた東京2020オリパラ聖火リレーが昨日、政府がうたう「復興5輪」として福島県の「Jビレッジ」をスタートしました。東京オリパラについては、海外からの観客見送り、森元会長の女性蔑視発言や、演出批判でクリエイティブディレクターの佐々木氏が辞任を表明するなど、お粗末な話題ばかり浮上していますが、国内の開催に関する調査では、7割の方が「開催すべきでない」「延長すべきだ」と回答しています。世界の人はどう見ているのでしょうか。公益財団法人「新聞通信調査会」が20日に公表した東京五輪・パラリンピック開催の是非を海外5カ国で尋ねた世論調査結果を発表しました。「中止すべきだ」「延期すべきだ」との回答の合計が全ての国で70%を超えている状況です。そのような中で、昨日行われた出発式では、福島県の内堀知事が、「復興の歩みは、どんな困難も乗り越えられるという力強いメッセージとなって、聖火を希望の灯として輝かせる」と挨拶しました。日本全国859の市区町村で、121日間をかけて約1万人のランナーが、聖火をつなぎます。栃木県では、28日(日)、29日(月)に行われ、日本最古の学校「史跡足利学校」のある足利市、2日目は雄大な那須高原の裾野の那須町。ゴールセレブレーションは、1日目・「山あげ祭」で有名な那須烏山市、2日目・宇都宮市で実施されます。日本ではここ数年、東日本大震災をはじめ、各地で大きな地震が発生しています。栃木県でも一昨年に台風19号による災害を経験しています。福島県の内堀知事が挨拶したように“希望の灯り”となることを祈ります。しかし、コロナの状況を踏まえると応援に出かけることもできませんが、ネットでも視聴できるようになっていますので、心の中で応援して下さい。

 私ごとになりますが、前回の1964年東京オリンピックは、2歳の時でしたので記憶にもありませんでしたが、昭和49年、第29回茨城国体が開催されました。当時、茨城県に住んでいましたので、小学6年生の時に地元を聖火ランナーとして走った経験があります。今から46年も前の出来事なんですが、今でもその時の状景や景色を鮮明に覚えています。それぐらい子どもながら心に残っています。まして日本で開催されるオリンピックとしては2回目で、この後いつあるかもわからない大会と考えると、関わる皆様の心に残る大会になればいいなと考えています。

現状のような開催することさえ危うい中で、何をもって成功と言えるのかもわかりませんが、聖火ランナー、出場するアスリート、スタッフ、関係者、ボランティアの皆様など数えきれないほど多くの方が参加、参画します。また、コロナ禍の中を考慮すれば、医療従事者の皆様にもこれまでにないくらいの協力が必要になると思います。全ての皆様の安全が優先され、そして、担保出来て、お互いがお互いを称え合えるような、素晴らしい大会になることを祈っています。

~「United by Emotion(感動で、私たちは一つになる)」~
東京5輪・パラリンピックスローガン