2021年の新春にあたり

 新年あけましておめでとうございます。
さて、昨年を振り返りますと、コロナ感染症の話題で持ち切りだったと改めて思うところですが、本日1都3県に緊急事態宣言が発令され、栃木県に於きましても直近1週間の人口10万人当たりの新型コロナウイルス感染者数は、全国で4番目に多く、緊急事態宣言下の埼玉や千葉を上回り、宇都宮市では初めて独自の緊急事態宣言を発出しました。危機的状況が続いており予断を許しません。皆様には引き続き特別警戒をお願いします。そのような状況ではありましたが、一昨日「連合栃木2021新春のつどい」をホテルニューイタヤの協力をいただき、ソーシャルディスタンスを保ち、各方面から来賓の皆様にもご出席いただき開催することが出来ました。主催者を代表しての私の挨拶を紹介させていただき新年の挨拶に替えさせていただきます。

《挨拶要旨》

連合栃木は、昨年4月創立30年を迎えることが出来ました。偏に連合栃木を築きあげた皆様始め、諸先輩のご尽力と関係団体の皆様のご支援の賜物と感謝申し上げます。これまでの30年を振り返りますと、設立時には、生みの苦しみに直面し、バブル崩壊、リーマンショック、自然災害の対応では、阪神淡路、東日本、熊本などの震災、幾多の台風にも直面しました。その都度連合は、被災者に寄り添うなど、幾多の困難を乗り越えてまいりました。今回のコロナ感染症も「命と雇用を守る」ことを前提とし、今、この時間もコロナ感染症と向き合っていただいている医療従事者や介護従事者などのご苦労に報いるためにも、構成組織・地域協議会は基より、本日お越しの来賓の皆様と連携し、働き方の対応や、あってはならない誹謗中傷の撲滅に取り組んでまいります。また、厳しい雇用情勢に対しましては、現下の失業手当給付や雇用調整助成金の休業手当等の特例措置は、感染症による各種の影響が沈静化するタイミングまで延長・継続していくことは不可欠であり、引き続き求めていかなければなりません。本日のこの集いが連合栃木のコロナウイルス感染症対策に向けた意思表示の場として、捉えていただければと考えています。そのような中で、2項について触れさせていただきます。

1つ目は、2021春季生活闘争について触れさせていただきます。
感染症対策と経済の復旧は本来、二律背反ではないこと、そして、雇用を守る取り組みも春季生活闘争の中心である賃上げの取り組みも、決して二者択一を迫られるべきものではないということです。先ほど来申し上げている、目の前にある社会・経済基盤の脆弱さを克服していかなければ、社会の持続性は担保できません。すべての働く者の処遇を「働きの価値に見合った水準」に引き上げる賃上げに取り組んでいかなければなりません。コロナ禍の難局にある今こそ、働く仲間に寄り添い「必ずそばにいる存在」としての労働組合の真価が問われています。更に今回の春季闘争で重要なことは、本年「同一労働、同一賃金」が、中小企業への適用への対応など法令順守は勿論のこと、有期・短時間・契約・派遣などで働く仲間の処遇改善などは、労働組合があればこそ働く者の立場からの改善に結び付けることができるものです。そのためにも私たちの仲間を増やす取り組みとして「連合組織拡大プラン2030」にある2030年までの10年間徹底的に拡大にこだわり、実効ある取り組みを進めてまいります。引き続きのご支援をお願いします。

2つ目は、選挙について触れさせていただきます。昨年は、連合栃木が推薦し、「鹿沼市長選挙」に於いて佐藤市長が、塩谷町長選挙では、見方町長が当選を果たしました。関係された皆様に御礼申し上げます。本年は、4月に行われる中間地方選挙が、佐野市、那須塩原市、塩谷町、で行われ、4名の推薦を決定しています。また、本年は、任期満了に伴う衆議院議員選挙が施行されます。後ほどそれぞれの皆様からご挨拶を賜りますのでよろしくお願いします。昨年も申し上げましたが、7年にわたる長期政権がもたらしたものは、異論を遠ざけ、説明から逃げ、記録の廃棄や隠ぺいの状態化であり、民主主義の土台が、崩れつつありました。この政権を引き継いだ菅政権でも、同じことが起きようとしています。先般連合は、衆議院選挙に向けて立憲・国民民主党に働きかけ、野党が一つになろうとしましたが、完全な形にはなりえませんでした。連合は、「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざし、雇用不安・生活不安の解消と格差社会の是正を求め、政策・制度実現に向けて取り組んでいます。私たち連合は、共に政策実現を目指せる政党を待ち望んでやみませんが、しっかりと論議を重ねていただき、お互いの立場を尊重し、丁寧に進めていただきその先に連合が求める真の二大政党政治が実現するものと信じています。ともに頑張りましょう。

結びになりますが、今年は「丑」年です。諸説ありますが、私にとって丑は、昔は田畑を耕す原動力として、牛乳を生み、食肉としても用いられ、暮らしに欠かせない「丑」と認識しています。牛のように力強くそして一日も早いコロナ感染症の終息を願い、皆様にとりまして今年一年が素晴らしい一年となることをご祈念申し上げ、2021新春の挨拶とさせていただきます。

~分断から連帯の年へ “コロナを乗り越え繋がろう”~