GoToトラベル中止について

12月1日に発表された、今年話題となった新語・流行語を決定する年末恒例の『2020 ユーキャン新語・流行語大賞』が“年間大賞”に「3密」が輝きました。また、12月14日に公益財団法人日本漢字能力検定協会が、11月1日から12月6日まで今年一年の世相を表す漢字一字を募集した結果、1位は「密」、2位「禍」、3位「病」といずれもCOVID-19を連想させる漢字になりました。協会では世界中がCOVID-19感染症の流行を受けた一年で、3密という言葉が提唱され、生活・行動様式が「密」にならないよう意識し続けた。また、学術会議の識者選定が「密」室で行われたことや、芸能界での「密」会報道が相次いだことによると選んだ理由について説明がありました。

この1年を振り返りますと、COVID-19の話題で持ち切りだったと改めて思うところですが、昨年の12月に中国武漢で発生したCOVID-19は、2020年2月に3,711人の乗員乗客を乗せたダイヤモンドプリンセス号で合計712人が集団感染し、この感染では13人が亡くなりました。栃木県では、2月22日にダイヤモンドプリンセス号からの下船者が最初の確認となり、クラスターの発生など確認され、現在の累積患者数は968人に達しています。

12月11日には第18回「新型コロナウイルス感染症対策分科会」が開催されました。この中で「忘年会・新年会・成人式等及び規制について提言がありました。中身について紹介しますと、我々の社会は新型コロナウイルス感染症が流行してから初めての冬を迎えることになり、命と暮らしを守るためには、社会を構成する一人ひとりが年末年始を静かに過ごすことが求められます。

(1)忘年会・新年会:普段から一緒にいる人と少人数で開催することです。その上で、ガイドラインを遵守している飲食店を選び、体調が悪い人は参加しない。座の配置は斜め向かいにして、会話する時は必ずマスクを着用。短時間で、深酒やはしご酒などは控え、適度な酒量で。お猪口やコップは使い回わさず、一人ひとりで。といった「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」をして頂くようお願いします。

(2)成人式:成人式は、多くの新成人が久しぶりに地元に集まる機会です。しかし、この機会は「三密」や「感染リスクが高まる機会でもあります。染防止策の徹底(マスクの着用、手指消毒など)。参加者の方へ ・体調が悪い人は参加しないこと。会場やその周囲では密集をしないこと。式典の前後には飲食を控えること。仮に飲食をする場合には上記の忘年会・新年会の工夫を参照。

(3)初詣・カウントダウンイベント:初詣については、混雑する時期を避け、境内での三密や、参 拝後の混雑をできる限り避けるなど、感染防止策の徹底をお願いします。また、年末年始は、カウントダウンイベント等が数多く行われます。適切な行動管理が難しいと判断する場合には開催自粛等の対応をお願いします。

(4)年末年始の帰省:年末年始に帰省する場合は、三密回避を含め基本的な感染防止策を徹底するとともに、特に大人数の会食を控えるなど、高齢者等への感染につながらないよう注意をお願いします。そうした対応が難しいと判断される場合は、帰省について慎重に検討頂きますようお願いします。特に発熱等の症状がある方などは、帰省を控えて下さい。帰省される場合には、年末年始の休暇を分散して取得するなど、混雑する時期を避けて頂くようにお願いします。

これらの分科会からの提言を受け、12月14日に菅総理からGoToトラベルについて、今月28日から来年1月11日まで全国で一時停止の判断がされました。連合は、新型コロナウイルス感染症及びその感染拡大予防策が、雇用に与えている影響は極めて大きく、特定の業種・業態において一層強く出ており、関係する旅行業やホテル・旅館など厳しい状況にあり、GoToトラベルで救われている働く仲間も相当数いることも事実であり、今回の一時停止で関係業種における働く皆様が困窮しないような対応を切にお願いするところです。特に年末年始は稼ぎ時であり懸念するところです。そして現在の状況で、重症化する患者が多くなっていることを考えますと、医療従事者・介護従事者の皆さんに対して、医療崩壊を決して起こさせないことが極めて重要であることを踏まえると、今回の判断は賢明であると考えています。

世間一般の風潮として、問題が発生した時に犯人捜しに集中する論調が目立つような気がしています。今回のGoToトラベルに関しても同様で、政府判断や首相のリーダーシップについて、ささやかれつつありますが、GoToトラベルを始める時に誰が反対したでしょうか。むしろ概ね賛成で、利用した数は5000万泊をこえています。原点に返りCOVID-19に対する日本が執った政策がこれで良かったのかを問い直すことも重要なのではないでしょうか。

今、私たちが行わなければならないことは、一人ひとりがCOVID-19の終息に向けて取り組むことです。年末年始を迎え何かと気忙しい時期ですが、分科会で要請された事項をしっかりと受け止めて、対応していきましょう!今年も残り2週間を切りました。健康に留意しお過ごしいただくようお願いします。