11月も残り僅かとなりました。紅葉も里に下り、宇都宮市内のイチョウの街路樹は鮮やかな黄金色に輝いています。一方、コロナウイルス感染者数は、緊急事態宣言後最大で、GoToトラベル・イートについての賛否が問われています。確かに関係する旅館やホテル、旅行会社、観光業界は一息ついたこと、地域経済を支えたことは認めますが、コロナウイルス感染症の拡大につながっていることも否めません。
菅義偉首相は25日午前の衆院予算委員会集中審議で、政府の観光需要喚起策、GoToトラベル事業について「地域経済を支える中で、極めて有力」だと述べ、「政府の役割は国民の命と暮らしを守ることだが、暮らしを守らないと命も守れなくなる」と指摘。「地方のホテル、旅館、バス、タクシー、食材提供業者、土産店など全国に900万人、GoToトラベルで何とか雇用を維持してきている」と強調し、GoToトラベル事業の利用者4000万人のうち陽性者は180人にすぎないと指摘し、20日の分科会提言を受けて感染拡大地域でのGoToトラベル事業の一時停止を判断したと説明しました。緊急事態宣言を発した時と比べ、コロナウイルス感染症発症数が倍増していることを考慮すれば、すべてを停止しても止むを得ないと考えますが、現下の経済状況を鑑みるとアクセルとブレーキを調整しながら進めることが最善策ということです。
菅首相は、政府の役割について述べています。労働組合の役割について考えてみたいと思います。私が自動車会社に入社した1981年は、日本が生産台数世界1位になった時で、造れば売れる時代でした。そのようなこともあり同時期に入社した仲間は多く、栃木工場だけで600名を超える雇用がありました。入社式も3回行ったことを覚えています。私が初めて労働組合を意識したのは、参議院議員選挙でした。会社に入って間もない私に後援会加入カードを10枚渡され日産労連から私たちの代表が出ているから、今週中に書いてきてくれと職場の先輩(職場委員)から頼まれました。私は、とにかく書けばいいと思い兄弟親戚、思い当たるところを10軒分書いて先輩に渡しました。それから何日も立たずして職場の先輩からひどく叱られました。どうやら私が書いて渡した後援会加入カードを基に電話をしたようで、殆ど聞いていないとの返事だったようです。それから慌てて紹介先に電話をし、訳を言ってお願いをしたことを覚えています。それだけでなく地域の担当者が、全国に配置されていて、紹介先に訪問しお礼とお願いを行ったようです(オルグ活動)。当時の参議院議員選挙は、現在のような総連型の選挙ではありませんでしたので、日産労連の当時組合員数は、28万人で100万票を積んだと伝説になっています。その時先輩は、私たちの自動車産業を守り、発展するために国会議員が必要だと教えてくれました。まさしく私たちの雇用を守り、組合員の暮らしを豊かにする。もちろんこれだけが全てとは言いませんが、労働組合の役割と確信しています。
今私は、連合に派遣され労働運動に携わっている以上、栃木県内で働くすべての皆様が、安心して働き暮らせる社会を構築していかなければならないと考えています。先に述べたようなことは、組織労働者における話でありますので、組織には組織の、地域には地域の問題課題があります。地域で私たちの問題課題に耳を傾けていただけるのは連合栃木議員懇談会の地域で活躍している議員の皆様です。各構成組織、地域協議会の皆様には引き続きの連携強化をお願いします。コロナウイルス感染症という新たな対応を求められ制約をせざるを得ない大変厳しい環境ではありますが、だからこそ労働組合の役割が大変重要です。議員懇と連携し果敢に挑戦してまいりましょう!