8月に入り、やっと梅雨が明けたと思ったところ、30度を超える猛暑日が続いていますが、この時期は、特に熱中症が心配されこまめな水分補給を呼び掛けているというのが常でしたが、今年は新型コロナウイルス感染症対策としてマスク着用が求められているため、その心配が多くの方に及んでいます。体調管理には十分注意してください。
さて、栃木地方最低賃金審議会は、昨日2020年度の栃木県地域別最低賃金を1時間当たり1円引き上げ854円に改定するよう答申されました。2016年から4年連続で3%台の上昇が続いていましたが、新型コロナウイルス感染症による経済情勢の悪化が影響し、2004年以来の水準に落ち込みました。
最低賃金とは、最低賃金法(1959年公布)に基づき、労働者に保障された賃金の最低額。労働条件を改善し、労働者の生活の安定や労働力の質的向上を図ることなどが目的。都道府県ごとに定められる地域別最低賃金と、特定の産業について設定される特定最低賃金の2種類があります。地域別最低賃金は、産業や職種に関係なく、パートタイマーや学生アルバイト、外国人労働者などを含めた全ての労働者に適用され、派遣労働者には派遣先の最低賃金が適用されるため、例えば派遣元の企業が埼玉県にあっても、東京都にある企業に派遣されて働く場合には、東京都の最低賃金が適用されます。最低賃金を支払わない場合には、罰則が定められています。最低賃金額は、賃金や物価などの動向に応じ、ほぼ毎年改定されていて、地域別最低賃金は、中央最低賃金審議会から示される引き上げ額の目安を参考に、地域の実情を踏まえて地方最低賃金審議会が審議・答申し、異議申し出などの手続きを経て決定されます。また、最低賃金による収入が生活保護の給付水準を下回る「逆転現象」がしばしば起きており、2007年にはこの解消を目的として法改正が行われました。先にも述べましたように今年は、新型コロナウイルス感染症の関係で、例年提示されています中央最低賃金審議会で目安の提示が示されず、大変厳しい交渉となりました。私も2008年から審議会委員を5年ほど勤めた経験がありますが、当時は、リーマンショックの影響があり、大変厳しい結果だったことを覚えています。労働者代表として勤めていただきました中島副会長から「経済情勢がきびしいのも理解するが、このままでは最低賃金が労働者のセーフティーネットとして成り立たなくなる」との発言があるように、連合は、コロナ禍が雇用・生活・経済へ大きな影響をもたらしている。同時に、政府および各自治体においては様々な財政措置が展開されている。足腰の強い地域経済からなる日本経済としていくには内需が大きな原動力であり、最低賃金はその基盤となる重要な政策である。このことを再認識しつつ、今後は6つの産業による特定最低賃金に取り組んでまいります。結果を求めることはもちろんですが、関係の皆様には最低賃金の重要性など論議することも必要です。今回の最低賃金の取り組みがコロナウイルス感染症による一過性の事象であることを確認していただきたいと考えます。次年度以降になりますが、連合が掲げる「誰もが時給1000円」実現に向けて軌道修正をお願いします。
多くの組合では、8月8日から夏休みに入ります。例年ですとお盆には帰省し、お墓参りや友人と会食するところですが、政府は、「一律の自粛を要請するものではない、十分な感染症対策ができない場合は、慎重な判断をお願いする」ということです。県内では昨日、コロナウイルス感染者を新たに過去最高の計17人を確認しました。これまでの発生状況を見ると、ゴールデンウイーク、7月の4連休と大きな連休後に感染者が多く確認されていることを踏まえると、このままでは今回の連休も拡大傾向に拍車をかけてしまします。大声・3蜜を避け、基本的な感染防止対策を徹底し、夏休みを過ごしてください。