GOTOトラベルと最低賃金について

新型コロナウイルス感染症ですが、栃木県内でも3つのクラスターが発生し、6月末から約3週間で約80人、12日連続で確認されている。感染者数は147人、増加傾向にあり、警戒が必要な事態となっています。このような状況の中で、GOTOトラベルが、東京を除く46の道府県でスタートしました。このGOTOトラベルは、国土交通省・観光庁が、新型コロナウイルス感染症で国内の旅行会社、観光関連の事業所、それらで働く従業員、組合員が、大変厳しい経営や生活状況となっています。そこで国内旅行を支援対象とし、宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を国が支援する取り組みです。上限額は宿泊旅行の場合1人1泊あたり2万円、日帰り旅行の場合は1人1万円、支援額のうち、7割程度は旅行代金の割引、3割程度は旅行先で使える地域共通クーポンとされています。また、全国を13の区域に分け割引予算の上限を設け、旅行者が特定の地域に偏らないようにし、来年1月末まで事業を続けるものです。このGOTOトラベルキャンペーンは、新型コロナウイルスの感染拡大によって経営に打撃を受けた国内の観光業や飲食業、イベント業、商店街などを支援し、各地域など国内全体の需要を喚起することを目的とした、「GOTOキャンペーン」の事業の一環を担う施策となっています。今回のこのコロナ感染症で、疲弊した観光に関係する皆様の為に行う施策であるということは、大賛成なのですが、今この状況で行うべきかという点については、大いに疑問が残ります。令和2年豪雨災害で被災された皆様の事情や東京都を除外した点などを考えると、マイナス要因が多く検討の余地があってもよかったのではないでしょうか?いずれにしましても、利用するもしないのも私たち個人です。前にも申し上げましたように、コロナ対策を行っている施設で、3蜜が避けられる場所へ出かけましょう。

中央最低賃金審議会は、昨日2020年度地域別最低賃金の改定について「現行水準維持が妥当」と答申しました。最低賃金は、16年度から4年連続で3%以上の大幅引き上げを実施してきましたが、足踏みする形になりました。2013年「政労使会議」は、賃金引き上げの重要性を共有し、労働者の雇用改善につなげてきました。新型コロナの影響を踏まえ、雇用維持を優先すべきであるとの考えは理解するものの、これまで積み上げてきた処遇改善の流れを変えることになりかねないことに労働側は強く反発してきました。引き上げ額の目安が示されなかったことは、残念としか言いようがありませんが、この後については栃木県最低審議会で、栃木県の最低賃金を決定していくことになります。しっかり議論を行い、これまでの流れを止めることがないように、仮に結果が厳しい状況となっても今回の決定は、一時的なものであることを確認していただきたい。

今日の7月24日は、本来東京オリンピックの開会式の予定日でした。白血病からの復帰を目指す競泳の池江璃花子選手(20)は、来夏に開会式が行われるメインスタジアムの国立競技場で世界にメッセージを発信し「逆境から這い上がっていく時には、どうしても希望の力が必要。1年後の今日、この場所で希望の炎が輝いていてほしい」と訴えました。希望の力は、オリンピックであり、希望の炎は、聖火です。東京オリンピックの開催を目標に、新型コロナウイルス感染症対策を完成し、一日も早い日常が来るように、職場で家庭で取り組んでまいりましょう。