令和2年度新入社員の皆様へ

昨日の4月1日は、通常であれば多くの企業で、新入社員が一同に会し入社式を行うはずでした。ところが今年は、コロナウイルスの影響で、入社式どころか会社にも出社できず、自宅待機(自宅研修)、赴任先にも挨拶できない状況があるようです。新入社員の皆様は、つらく記憶に残る出来事とはなりましたが、このような事態は避けたいと考えますが、今は、世界全体が耐える。これ以上感染者を増やさない取り組みが何より重要だと思います。必ずいつかあの時は大変だったなと笑って話せる時が来ます。その時が来るまで頑張りましょう。

私が日産自動車(株)栃木工場に入社したのは、今から約40年前のことになります。当時の自動車業界は、全体が右肩上がり好景気で造れば売れる時代で、世界の自動車生産で日本が第一位の時でした。そのため昭和56年の入社同期社員が、日産栃木工場だけで600人以上もいて、会場の関係で数回に分けて入社式を行ったことを覚えています。あの時は、今の自分は想像できなかったとしても、夢と希望に満ち溢れていました。

新入社員の皆さんに私の経験から申し上げたいことが一つあります。それは、「同じ職場の先輩、同僚や、同じ会社の先輩、同僚など、腹を割って話せる仲間をみつけてほしい」ということです。今までは、自由に過ごした学生時代から、会社に入って社会人になり、必ず節目で、何らかの迷いが生じます。私にも経験がありますが、その時に同じ苦労をしている、また、同じ苦労を経験した仲間に聞いてほしいのです。先輩や同僚にしかわからないことがあり、分かった時に共感が得られ迷いが無くなることや、新たな目標が見つかるなど何らかの解決策が見いだせます。

私は、茨城の田舎から上三川の知らない土地にきて働きはじめ、心細い毎日でしたが、幸い同じ職場で働く同期社員と、寮が一緒で毎日たわいのない話で盛り上がり、苦労を共にし、励ましあいながら公私ともに過ごして来ました。今の自分があるのも同僚や、先輩の存在があったことに感謝しています。

新たに社会人になられた皆様に厳しいことばかり申し上げましたが、楽しいこともうれしいこともたくさんあるでしょう。しかし、この先訪れる困難が、コロナウイルス感染を超える事態が待ち受けているかもしれません。家族は基より友だちや、同僚、先輩など多くの人と知り合い、お互いを尊重し思いやりを忘れずに過ごしていただき立派な社会人になっていただきたい。皆様の幸多いことをご祈念申し上げます。