相模原障がい者施設殺人事件について

昨日、2016年7月に起きた相模原市障がい者施設「津久井やまゆり園」で植松聖被告(30)による入所者の男女19人を殺害し、26人に重軽傷を負わせたとし、殺人罪に問われた裁判員裁判で、横浜地裁は死刑を言い渡しました。事件発生から3年3か月が経ちましたが、あまりにも衝撃的な事件であり印象が強く、そんなに時間が過ぎたんだと感じています。争点は犯行時における責任能力の有無と程度でありましたが、弁護人:被告は大麻による精神病で、犯行にその影響が深く関与した。裁判所:大麻による影響は考えられない被告の善悪はコントロールできたと判断。量刑の理由として、19人もの尊い命を奪われた結果は甚だしく重大、計画的かつ強烈な殺意に貫かれた犯行、遺族の峻烈な処罰感情も考慮し、死刑をもって臨むほかない。(判決要旨抜粋)

この事件、どうも釈然としないと感じている方は多いと思います。それは、なぜこの犯行に至ったのか、深層が明かされていない点にあると思います。複数の方が獄中で植松被告と手紙のやり取りや、接見していますので明らかになる日が来るかも知れませんが、尊い命を奪った被告に対し、残された遺族はいたたまれない気持ちだろうと感じています。私は6年前、連合栃木の事務局長に就任する前は、自動車総連・日産労連の栃木地域協議会で仕事をしていました。その時自動車総連としては、ナイスハートと題し、障がい者とのふれあいイベント(体育館で行うスポーツ大会)や、障がい者施設に車両寄贈などを行いました。日産労連では、毎年クリスマス時期に障がい者施設の皆さんを招待し、劇団四季の協力をいただき観劇や、各施設に出向いて人形劇をお届けしたり、困っている施設に対し物品や車両を寄贈したり、障害を持った友だち、家族、施設の職員さん等、数多くの皆さんと接してきました。その時、観劇や人形劇で見せてくれた溢れんばかりの笑顔や、物品・車両寄贈ではうれしそうな笑顔。家族や施設の職員にとって、かけがえのない人を失った気持ちは図り知れないと考えると怒りが収まりません。植松被告は元職員でありましたので、もしそういう機会があればこのような痛ましい事件は起こらなかったのではないか、残念でなりません。

連合は、SDGs(誰一人取り残さない、持続可能な社会)を目指し、人権問題にもしっかり取り組んでまいります。こんな痛ましい事件は二度と起こさない、起こさせない運動をしていきましょう!人が人を想い敬う社会を強く願います。